そのイヤホンを外させたい

そのイヤホンを外させたい

文芸好き。ラノベやWEB発の作品まで視野に入れつつ、文学または物語の趨勢について考えたことを書いていきます。

エッセイ

絵本とお金

キングコング 西野 公式ブログ - お金の奴隷解放宣言。 - Powered by LINE キングコング西野さんの話題について。多くの方が指摘するように、今回西野さんが取った『えんとつまちのプペル』WEB無料公開は、いわゆるフリーミアムと呼ばれるビジネスモデルです…

「逃げる」という勇者の戦略

北方謙三による『三国志』、通称「北方三国志」は、サラリーマンの男性を中心によく読まれている印象がある。僕も昨日第6巻『陣車の星』を読み終えたところなのですが、ここまで来るのにおそろしく時間が掛かっています。三国志 (6の巻) (ハルキ文庫―時代小…

『堕靡泥の星』の作者佐藤まさあきはナンパ本も書いていた

ブックオフで古本を物色していたら、昔のナンパハウツー本を発見したので手に取って読んでみた。ナンパの達人 (ムックセレクト)作者: 佐藤まさあき出版社/メーカー: ロングセラーズ発売日: 1992/08/01メディア: 新書購入: 1人 クリック: 8回この商品を含むブ…

クソなる社会を肯定するには

以前にも増してマスメディアがくだらないニュースを垂れ流すような昨今、多くの人が「この社会はクソ」というなかばあきらめの認識を持って毎日を生きているように思えてならない。 一方では、ISILの勃興やイギリスのEU離脱など、世界の安定を根本から覆すよ…

ティンバーマニアックスの思い出

「ティンバーマニアックス」という懐かしい名前を覚えている人はどれほどいるだろうか。 ほとんどいないような気もするし、意外にも大勢いるような気もする。 知らない人のために説明すると、「ティンバーマニアックス」はスクウェアの人気作「ファイナルフ…

定量的なるものとの戦い

先日、ブログに関する本を読んでいたら、「分かりやすい文章の書き方」の項目に次のような例があがっていた。 くまのプーさんの住んでいる森は、「100エーカーの森」と呼ばれ、文字通り100エーカーの規模があるそうです。でも皆さんは、100エーカーの森と言…

異世界転生小説は新時代のピカレスク小説なのか?

「異世界転生小説」をご存知だろうか? 宮部みゆきや東野圭吾といった一般文芸をメインに読んでいる人には聞きなれない言葉かもしれませんが、ライトノベルやウェブ小説の世界では王道の物語形式です。 簡単に説明すると、現代日本で暮らすパッとしない主人…

既刊本の書評も悪くない

わたしは本好きなので、このブログも自然と読んだ本の感想が多くなっています。 ことネットに関してなるべく多くの人に記事を読んでもらいたいなら、出たばかりの話題の本を逃さずレビューしていくのが一番手っ取り早い方法でしょう。 わたしも自分にでき得…

文化系男子の生存戦略

唐突だが、わたしは文系である。 今から約6年ほど前に都内の四年制私立大学の文学部を卒業しました。 敢えて主張することもない平凡な経歴だけれど、個人的に思うところがあるのでもう少し突っ込んで書いてみたい。 目次 これまでの出来栄え 文化系男子は資…

小説を読むことは究極のライフハックである

小説家の保坂和志は、過酷な現代社会を個人が生きるために必要なことを訊かれて、「それはたとえばカフカを読むことだ」と述べている。ごく一般には、人生に役立つ知識やノウハウの意識的な蓄積こそ最も効率的な生存戦略だと信じられている。だがそれではダ…

名門と自意識

ラ・ロシュフコーの箴言の中に次のようなものがある。 名門の名は、そのよき担い手たり得ない者を、引き立てるかわりに卑小にする。 ぼくはごく平凡な中流家庭で育ったので、由緒ある家柄に生まれた人間のアイデンティティの成り立ちを正確に理解することは…

星と記憶の堆積

少し前にポリタスに掲載された高橋源一郎の文章を読んで色々と思うところがあった。 死者と生きる未来(高橋源一郎)|ポリタス 戦後70年――私からあなたへ、これからの日本へ アヴァンポップの旗手として注目され政治的な事柄とは一線を画する場所で作品を発…