そのイヤホンを外させたい

そのイヤホンを外させたい

ブログはタブラ・ラサ

京都を舞台にしたポップな哲学散歩小説/原田まりる『ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。』

前に本の感想を書かせてもらった哲学ナビゲーターの原田まりるさんが、小説を出したということで買って読んでみました。ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。作者: 原田まりる出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2016/09/30メ…

現役作家による贅沢な世界文学講義/池澤夏樹『世界文学を読みほどく』

池澤夏樹『世界文学を読みほどく』が、めちゃくちゃ面白かったので感想を書く。 世界文学を読みほどく (新潮選書)作者: 池澤夏樹出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2005/01/15メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 62回この商品を含むブログ (55件) を見る 本…

【第156回芥川賞受賞】ピンぼけした記憶の先にある等身大の青春/山下澄人『しんせかい』

しんせかい作者: 山下澄人出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2016/10/31メディア: 単行本この商品を含むブログを見る 第156回芥川賞受賞作、山下澄人『しんせかい』を読んだ。前回受賞の村田沙耶香『コンビ二人間』は純文とは思えないくらいリーダビリティの高…

秋葉原有隣堂STORY CAFEでコーヒー飲みながら本読んできたので紹介する。

こんにちは山中です。今日は秋葉原で用事を済ませた後、買いたい本があったので近くの本屋さんに立ち寄りました。ヨドバシakibaの7階に入っている有隣堂ヨドバシAKIBA店さん。ここは日本で一番アイドル雑誌が売れる店として名高く、零細出版社の営業やってた…

美しき女剣士が妖魔と壮絶な戦いを繰り広げる漫画『CLAYMORE』(クレイモア)を読んでダーク・ファンタジーの魅力を再発見した。

学生時代に7巻くらいまで読んでそのままにしていた漫画『CLAYMORE』(クレイモア)がいつの間にか完結していた。この一週間で残りを一気に読み終えました。ダーク・ファンタジーの教科書みたいな作品ですね。こういうクールな世界観好きです。 本作は、小説に…

甘美なる歌声は邪魔しない。/鹿島茂『「悪知恵」のすすめ』

こんにちは山中です。トランプ大統領による外国人入国制限のニュースがメディアを騒がせていますね。 悪い意味で期待を裏切らないというか、今回の出来事をきっかけにこの先ますます世界情勢は泥沼化していくでしょう。 今回の話題含め、外交問題に関する記…

曼荼羅のように艶めかしく美しい仏教漫画『阿吽』の感想

今日はおかざき真里『阿吽』の感想。阿・吽(1) (ビッグコミックススペシャル)作者: おかざき真里出版社/メーカー: 小学館発売日: 2015/04/03メディア: Kindle版この商品を含むブログ (2件) を見る 「阿吽(あうん)の呼吸」の“阿吽”がもともと仏教用語だと…

年収280万の独身アラサー男子が「タラレバ娘」から読み取るべきこと。

ついに放送がスタートしたTVドラマ『東京タラレバ娘』。ドラマ化を機に世間的認知度も高まり、職場やプライベートで本作の話題が上がることが多いです。自分も原作と比較検討しながら楽しく観させて頂きました。東京タラレバ娘(1) (KC KISS)作者: 東村アキコ…

平日休みに行った深大寺が、静かで緑が多くて心が癒された。

月に1〜2回の頻度で平日の休みがある。 平日の休みってどこに行くにしても人が少ないのでお得ですよ。 先日は、ふらっと調布市の深大寺に行ってきました。たまにテレビで紹介されてたりしてるのを見て、ずっと気になってたんですよね。 交通アクセスとしては…

言葉の短剣。ラ・ロシュフコー公爵の黒光りした箴言から世間を学ぶ。

16世紀~18世紀のフランスにはモラリストと呼ばれる文学者が登場し、人間の生き方についての考察を自由な文章形式でまとめました。 そんなモラリストの中に、ラ・ロシュフコー公爵がいます。自分は彼の『箴言集』が好きです。なぜなら、彼の箴言はとても的を…

コーチング・プログラムの極北、苫米地英人監修TPIE®︎の考え方が面白い

苫米地英人をご存知だろうか?近年は、「読んだら人生が変わる」系の自己啓発本や、女性が聴くと胸が大きくなる着メロの開発など、どことなく胡散臭さが漂う人物としてちまたでは認識されている。 しかし、もともとはオウム真理教事件の際、元信者の脱洗脳を…

花田清輝は今日性のある批評家だからもっと読まれていいと思う

年末年始の休みもあっという間に終わり、いつ果てるともない生活に帰還しています。 年越しは実家で紅白観たり、家の近くの神社で甘酒飲んだり、蕎麦食ったり雑煮食ったりと、平均的な日本人の正月を過ごしていました。 本来なら、2016年の内に「今年読んで…

これまでに読んだ舞城王太郎作品を振り返る

舞城王太郎『ビッチマグネット』を読んだ。ビッチマグネット (新潮文庫)作者: 舞城王太郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2014/08/28メディア: 文庫この商品を含むブログ (4件) を見る 芥川賞候補にもなった作品で、舞城さんの作品としては物語としてのハチ…

ジュブナイルの衣をかぶった人生哲学の書/小野不由美『十二国記 月の影 影の海』

現在中学2年生で卓球部の練習に燃えている従姉妹の娘に好きな小説をたずねたら、「十二国記!」という答えが返ってきた。月の影 影の海〈上〉―十二国記 (新潮文庫)作者: 小野不由美,山田章博出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2012/06/27メディア: 文庫購入: 6…

『堕靡泥の星』の作者佐藤まさあきはナンパ本も書いていた

ブックオフで古本を物色していたら、昔のナンパハウツー本を発見したので手に取って読んでみた。ナンパの達人 (ムックセレクト)作者: 佐藤まさあき出版社/メーカー: ロングセラーズ発売日: 1992/08/01メディア: 新書購入: 1人 クリック: 8回この商品を含むブ…

絶対他力と自己啓発

『歎異抄』を読んでみた。講談社学術文庫に入ってる梅原猛全訳注のやつです。 歎異抄 (講談社学術文庫)作者: 梅原猛出版社/メーカー: 講談社発売日: 2000/09/08メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 22回この商品を含むブログ (37件) を見る 本書には原文に加…

【掌編】他人の骨折

朝、たんすの角にぶつけて足の小指を骨折した。 会社に休みをもらった上で病院に行った。 全治2ヶ月。 齢30になるまでこれといった大きな病気や怪我に遭遇しなかったこともあって、ギプスと松葉杖での生活は他人事のように感じられた。 翌日、会社に向かう道…

『20歳の自分に受けさせたい文章講義』はアラサーが読んでも得るところが大きかった

量か質か。ブログを書いている人間なら、たびたび耳にするであろう二者択一だ。今のところ、量は質を凌駕するという考え方が優勢かと思います。量をこなさないと質も上がらないのでつべこべ言わず書け、ということですね。とはいえ、いかに早く大量に記事を…

「脱レール」という厄介な「レール」

少し前の話になるが、レールに沿ったつまらない人生を嫌悪し、4ヶ月で大学を辞めて起業することを高らかに宣言した18歳の男性の記事が話題になっていた。 今更だからリンクは貼らないけれど、何かおせっかいを言わずにはいられない素敵な記事ですよね。 成功…

村上春樹と暮らしの哲学

まちゃひこさんが村上春樹について書いているのを読んで面白かったので書く。 自分も春樹作品好きなんだけど、人前で言うとあらぬ誤解を招きそうで大々的には公表しないでいる。 この記事で挙げられている村上春樹好きを公言することのデメリット3つに共通し…

メディアミックスの時代だからこそ一次コンテンツを大切に

どうも山中タカです。 今週は雨が続いたこともあり、仕事含めアウトドアな活動は極力控えて自宅で小説や漫画を読む日々でした。 それらの中には、実写映画化したものがいくつかありました。内容も面白いので「そりゃ映像化のオファーも来るよね」って感じだ…

非恋の時代に心を病むことについて/トイアンナ『恋愛障害』

交際相手のいない男女の割合が過去最高を記録したというニュースが話題になっていた。 本格的な「恋愛氷河期」の時代がやってきたのかもしれない。 結婚願望のある人が8割を超えるというのは、多くの人が現在恋愛をしたくてもできない状態にあることを如実に…

既卒、未経験で出版社に入った僕の就職活動

先日、はてブに以下の記事が挙がっていた。 フリーター、第二新卒、既卒の若者の就職斡旋を行っている会社の就職アドバイザーに既卒の就職活動についてインタビューしたものです。 僕自身既卒としての就職活動を経て会社に入った人間なので、新卒と比べてそ…

【感想】篠山紀信展「快楽の館」@原美術館

都内は酷暑が続いていますね。 今日は急遽写真展を見に行ってきました。 篠山紀信「快楽の館」@原美術館 写真芸術について門外漢な俺でも、篠山紀信の名前くらいは知ってるぜ。 日本写真界の超大御所が壇蜜や有名AV女優の裸体を使ってどのような表現空間を…

社会に対してベタになると死ぬ/トークイベント:宮台真司×二村ヒトシ『希望の恋愛学』を語る

先日、社会学者の宮台真司さんとAV監督の二村ヒトシさんによるトークイベント『希望の恋愛学』を語るに参加してきた。 場所は下北沢にある世田区立男女共同参画センターらぷらす研修室。変な名前。 日曜日は宮台先生とトークします。8/21(日)19:00~宮台真司…

セックス嫌いは人間嫌い/代々木忠『つながる』の感想

AV界の巨匠ヨヨチューこと代々木忠の著書『つながる』を原作とした映画『愛∞コンタクト』が来る11月に公開されるらしい。 書籍の中のいくつかのエピソードを基にしたオムニバス作品らしいのだが、出演者はもちろん監督やプロデューサーなど製作スタッフの多…

二村ヒトシ/川崎貴子『モテと非モテの境界線』の感想

モテと非モテの境界線 AV監督と女社長の恋愛相談作者: 二村ヒトシ,川崎貴子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2016/06/23メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る 『モテと非モテの境界線』という対談集を読んだ。 著者(というより対談し…

「女には手をあげてはいけない」という発言の偽善性

「女性は男性に比べて弱い存在なので守ってあげなければいけない」 このような認識は、日本だけでなく世界中の男性のほとんどが共通して持っているものだと思う。事実として、現代において女性の方が男性より優位な立場にある社会は稀である。だから、記事の…

乳酸菌入りチョコレートの登場が意味するもの

少し前にロッテが「乳酸菌ショコラ」という商品を出した。 「チョコを食べながら栄養素を摂取できるなんてなんだか得した気分〜♪」 これは友達の女の子の発言(彼女は決してバカじゃない。ただ幸せを感じやすいだけ)。僕も確かにそうだなぁと感じてそこで話は…

壇蜜の小説家デビューについて

壇蜜さんが小説を書いたんですね。 タイトルは『光ラズノナヨ竹』 前にも書いたけど、新人賞という正規のルートで小説家として出発するのではなく、あらかじめ小説とは異なるジャンルで知名度を得た人物が新人作家としてデビューするという仕組みは今後ます…