そのイヤホンを外させたい

そのイヤホンを外させたい

文芸好き。ラノベやWEB発の作品まで視野に入れつつ、文学または物語の趨勢について考えたことを書いていきます。

非恋の時代に心を病むことについて/トイアンナ『恋愛障害』

交際相手のいない男女の割合が過去最高を記録したというニュースが話題になっていた。 本格的な「恋愛氷河期」の時代がやってきたのかもしれない。 結婚願望のある人が8割を超えるというのは、多くの人が現在恋愛をしたくてもできない状態にあることを如実に…

【感想】『響~小説家になる方法~』4巻

響~小説家になる方法~ 4 (ビッグコミックス)作者: 柳本光晴出版社/メーカー: 小学館発売日: 2016/06/30メディア: コミックこの商品を含むブログを見る 前にレビューを書いた漫画作品『響~小説家になる方法~』の4巻を読みました。 買うのが遅れたのは、『ス…

新刊でも古典でもない普通の小説が読みたい

こんにちは、山中タカです。 ネット上には多くの書評が挙がっていますが、そのほとんどがごく最近出版された新刊本であったり、もしくは誰もが認める有名な古典作品についてのものであったりと、数は多いわりにバラエティに乏しい傾向にあります。 個人のブ…

既卒、未経験で出版社に入った僕の就職活動

先日、はてブに以下の記事が挙がっていた。 フリーター、第二新卒、既卒の若者の就職斡旋を行っている会社の就職アドバイザーに既卒の就職活動についてインタビューしたものです。 僕自身既卒としての就職活動を経て会社に入った人間なので、新卒と比べてそ…

無双感を飼い慣らそう

ナンパ中に次第に気分が乗ってくると、見知らぬ女性に対する恐れや不安が消えて躊躇なくどんどん声掛けできるような精神状態になることがある。 いわゆる「ナンパーズハイ」、心理学の用語で言うと「トランス状態」とか「変性意識状態」というもの。 ナンパ…

【感想】篠山紀信展「快楽の館」@原美術館

都内は酷暑が続いていますね。 今日は急遽写真展を見に行ってきました。 篠山紀信「快楽の館」@原美術館 写真芸術について門外漢な俺でも、篠山紀信の名前くらいは知ってるぜ。 日本写真界の超大御所が壇蜜や有名AV女優の裸体を使ってどのような表現空間を…

自分を変えるたった一つの方法

世の中には数多くの成功本が出回っている。 目標を具体的に設定する 時間は財産だと知る 余分な物を捨てる 他人の悪口を言わない 勉強の習慣をつける などなど、ここに挙げればきりがないが、一つ言えるのはそのどれもが本当のことを言っているということ。 …

良き遍歴を重ねることは難しい

こんにちは、山中タカです。 ここ最近はナンパに関する記事をいくつか書きました。現役で活動してるわけでもないのに意外と書くことがあるもので自分でもびっくりです。 さらに良い記事が書けるように再びナンパを始めてみようかとも考えましたが、 「それっ…

ナンパで出会ったその日にセックスする危険性について

高畑という親不孝のレイプマンが世間を騒がせた。 高畑の犯行は衝動的というよりかはある程度計画的なものだったようなので同情の余地はありませんが、世の中の強姦事件には今回の事件のように加害者と被害者の間にはっきりとした力の優劣が見出しにくいもの…

クソなる社会を肯定するには

以前にも増してマスメディアがくだらないニュースを垂れ流すような昨今、多くの人が「この社会はクソ」というなかばあきらめの認識を持って毎日を生きているように思えてならない。 一方では、ISILの勃興やイギリスのEU離脱など、世界の安定を根本から覆すよ…

社会に対してベタになると死ぬ/トークイベント:宮台真司×二村ヒトシ『希望の恋愛学』を語る

先日、社会学者の宮台真司さんとAV監督の二村ヒトシさんによるトークイベント『希望の恋愛学』を語るに参加してきた。 場所は下北沢にある世田区立男女共同参画センターらぷらす研修室。変な名前。 日曜日は宮台先生とトークします。8/21(日)19:00~宮台真司…

【感想】七菜乃写真展「私の女神たち-My Venuses-」

こんにちは、山中タカです。 このブログは一応フィールドワークと銘打っているため、たとえ台風が接近中であっても行きたい場所にはいくというスタンスで書かれます。 元来なまけ者で自宅でダラダラしてるのが好きな人種なのでそれくらい自分を追い込んでい…

セックス嫌いは人間嫌い/代々木忠『つながる』の感想

AV界の巨匠ヨヨチューこと代々木忠の著書『つながる』を原作とした映画『愛∞コンタクト』が来る11月に公開されるらしい。 書籍の中のいくつかのエピソードを基にしたオムニバス作品らしいのだが、出演者はもちろん監督やプロデューサーなど製作スタッフの多…

非モテのサラリーマンがナンパで女性とセックスするまで

有名ナンパ師二人の対談音声を聴いていた。そこでは、ナンパという行為がいかに過酷なものであるかについて語られていた。 世の中には手っ取り早く女性とセックスしたいがためにナンパを始める人が多くいるが、そのほとんどは思うような結果が出ずに途中でや…

ナンパの最終到達地点は地蔵かもしれない

こんにちは、山中タカです。 この連休中、本など読みながらナンパについてあらためて考えていました。 前にも書きましたが、「ナンパで人生変える」という言葉もよく耳にするように、ナンパと自己啓発は切っても切れない関係性にあります。ネット上には自己…

恋愛工学と現代のビルドゥングスロマン

お盆休み、ナンパスキルの復習として藤沢数希の『ぼくは愛を証明しようと思う。』を読み返していました。 ぼくは愛を証明しようと思う。作者: 藤沢数希出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2015/06/24メディア: 単行本この商品を含むブログ (6件) を見る 初読の…

村田沙耶香『コンビニ人間』の感想

コンビニ人間作者: 村田沙耶香出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2016/07/27メディア: 単行本この商品を含むブログ (6件) を見る 文藝春秋誌上にて、第155回芥川賞受賞作『コンビニ人間』を読みました。 単行本で買うよりも安い上に、審査員全員の選評ももれ…

ナンパで人生変えるには

どうも、AV男優みたいなペンネームの山中タカです。 男がナンパをはじめる理由はそれこそ人によって様々ですよね。 彼女が欲しい。 美人とセクしたい。 会話が上手くなりたい。 結婚相手を探したい。 自分の殻を破りたい。 メンタルを鍛えたい。 人脈を広げ…

スゴ腕じゃなかった

またナンパについてちょくちょく書くようになった。 と言っても、ナンパを本格的に再開したというわけではなく、あくまでも興味の対象として自分の中に再び浮上してきた感じである。 どういった心境の変化かというと、以前自分と同じくナンパクラスタに生息…

二村ヒトシ/川崎貴子『モテと非モテの境界線』の感想

モテと非モテの境界線 AV監督と女社長の恋愛相談作者: 二村ヒトシ,川崎貴子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2016/06/23メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る 『モテと非モテの境界線』という対談集を読んだ。 著者(というより対談し…

「女には手をあげてはいけない」という発言の偽善性

「女性は男性に比べて弱い存在なので守ってあげなければいけない」 このような認識は、日本だけでなく世界中の男性のほとんどが共通して持っているものだと思う。事実として、現代において女性の方が男性より優位な立場にある社会は稀である。だから、記事の…

元ナンパ師が選ぶ読んでためになるナンパ本6冊

以前、集中的にストリートナンパに取り組んでいた時期がありました。恋愛工学が話題になる少し前くらいですかね。 当時の僕は街で最後まで一人で声掛けをするいわゆる完ソロナンパ師だったので、ナンパのスキルは独学で磨かなければなりませんでした。 その…

乳酸菌入りチョコレートの登場が意味するもの

少し前にロッテが「乳酸菌ショコラ」という商品を出した。 「チョコを食べながら栄養素を摂取できるなんてなんだか得した気分〜♪」 これは友達の女の子の発言(彼女は決してバカじゃない。ただ幸せを感じやすいだけ)。僕も確かにそうだなぁと感じてそこで話は…

壇蜜の小説家デビューについて

壇蜜さんが小説を書いたんですね。 タイトルは『光ラズノナヨ竹』 前にも書いたけど、新人賞という正規のルートで小説家として出発するのではなく、あらかじめ小説とは異なるジャンルで知名度を得た人物が新人作家としてデビューするという仕組みは今後ます…

古さを感じさせない時間術の名著/アーノルド・ベネット『自分の時間』

自分の時間 (単行本)作者: アーノルドベネット,Arnold Bennett,渡部昇一出版社/メーカー: 三笠書房発売日: 2016/05/11メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (2件) を見る アーノルド・ベネット『自分の時間』を読みました。 100年以上前に…

モテない男女に共通する特徴

東京タラレバ娘(1) (KC KISS)作者: 東村アキコ出版社/メーカー: 講談社発売日: 2014/09/12メディア: コミックこの商品を含むブログ (18件) を見る 先日、遅ればせながら東村アキコ『東京タラレバ娘(1)』を読みました。 アラサー独身女性の等身大の葛藤を知る…

ティンバーマニアックスの思い出

「ティンバーマニアックス」という懐かしい名前を覚えている人はどれほどいるだろうか。 ほとんどいないような気もするし、意外にも大勢いるような気もする。 知らない人のために説明すると、「ティンバーマニアックス」はスクウェアの人気作「ファイナルフ…

医者に頼らず精神力のみで煙草をやめたわたしの禁煙法

5/31は世界禁煙デーなんですね。 5/31〜6/6は禁煙週間に当たるとのこと。 へ〜そんなんあるんだ。 恥ずかしながら、今日まで生きててそんなもんがあるの全く知りませんでした。 概要を読むと、もうなんか平和運動的なノリですね。みんなが盛り上がってるとこ…

ジム・ホーキンズとジョン・シルバー/大人になるということ

宝島 (新潮文庫)作者: スティーヴンソン,佐々木直次郎,稲沢秀夫,Robert Louis Stevenson出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1951/04/03メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 23回この商品を含むブログ (15件) を見る いつの頃からだろうか。 自分が書く物の足しに…

専業小説家は絶滅するかもしれない

「次は小説を書いてみませんか?」 特定の分野で一定の評価を得た人物に編集者はそう提案したりする。 新人賞を受賞したばかりのほとんど無名の作家の本を出すよりも、畑違いと言えども、あらかじめそれなりのファンを持つ有名人の本を出した方が売り上げが…

【秘策】返信用封筒入れ忘れに対処するたったひとつの冴えたやり方

やぁ、きみか。久しぶりだね。 一体どうしたのさ、そんなに慌てて。 なに? 取引先へ送る郵便物に返信用封筒を同封するのをうっかり忘れたまま封をしてしまったって? やれやれ。せっかちな性格は昔と変わらないようだね。何だかホッとしたよ。 簡単だよ。 …

匿名ブロガーの本懐

まだ記事数も十分ではないが、ブログの運営方針について現在思っていることをここらで書き留めておきたい。 わたしはブロガーがブログそのものについて言及することに全く抵抗を感じないし、むしろ必要なことだと考えています。小説家や詩人が「小説とは何か…

定量的なるものとの戦い

先日、ブログに関する本を読んでいたら、「分かりやすい文章の書き方」の項目に次のような例があがっていた。 くまのプーさんの住んでいる森は、「100エーカーの森」と呼ばれ、文字通り100エーカーの規模があるそうです。でも皆さんは、100エーカーの森と言…

組織が嫌いなら市場を好きになればいいじゃない

わたしはリアルライフにおいてつくづく自分は集団行動に向いてない人間なのだな~と再確認させられることが度々あります。 向いてないとは言っても、別に人と話すのが嫌いなわけではなく、それなりに協調性もあると自負しているし、(笑)会社の飲み会にもちゃ…

純文学ワナビーは必読。『響 〜小説家になる方法〜』の感想

厳しいーなぁ…っとに、なんだったら売れんだよ。芥川賞作家の肩書き持っててもこれだもんなぁ。つーか最近は、受賞作ですら厳しいっスからね。これ以上悪くなんねーだろって状況なのに、毎年きっちり更新してくれるなぁ。っとに、出版不況で漫画が売れねーと…

異世界転生小説は新時代のピカレスク小説なのか?

「異世界転生小説」をご存知だろうか? 宮部みゆきや東野圭吾といった一般文芸をメインに読んでいる人には聞きなれない言葉かもしれませんが、ライトノベルやウェブ小説の世界では王道の物語形式です。 簡単に説明すると、現代日本で暮らすパッとしない主人…

既刊本の書評も悪くない

わたしは本好きなので、このブログも自然と読んだ本の感想が多くなっています。 ことネットに関してなるべく多くの人に記事を読んでもらいたいなら、出たばかりの話題の本を逃さずレビューしていくのが一番手っ取り早い方法でしょう。 わたしも自分にでき得…

文化系男子の生存戦略

唐突だが、わたしは文系である。 今から約6年ほど前に都内の四年制私立大学の文学部を卒業しました。 敢えて主張することもない平凡な経歴だけれど、個人的に思うところがあるのでもう少し突っ込んで書いてみたい。 目次 これまでの出来栄え 文化系男子は資…

幸福のメルクマール

個人的な印象ですが、近頃はSNSや本の中で幸福論のようなものを語る人がとても多くなりましたよね。 ピンからキリまである中でその大半が、 幸せを感じられないのはあなたがそれを自覚してないだけでそれは意外なところに転がっているものですよ。だから気づ…

『進撃の巨人』を読んで個人の自由について考えた

進撃の巨人(19) (講談社コミックス)作者: 諫山創出版社/メーカー: 講談社発売日: 2016/04/08メディア: コミックこの商品を含むブログ (102件) を見る 『進撃の巨人』が面白い。何を今更?世間でこんなにも人気を集めているというのに。いや、それでもコミッ…

ブログ名変更のお知らせ

ブログの名前を変えた。失恋してロングヘアーをばっさり短く切る女子のような心境で。題名に私自身の願望が如実にあらわれているなぁ。理由は、約3ヶ月の間頑張ってみたもののまともに小説が書けなかったことによる。そんなバカな……。掌編めいたものはポツポ…

小説家、大石圭誕生秘話

大石圭、小説家。1993年『履き忘れたもう片方の靴』が文藝賞佳作となりデビュー。その後、官能、ホラー小説の分野で頭角を現し、角川ホラー文庫、光文社文庫を中心に数多くの作品を発表。2003年には、映画『呪怨』のノベライズも担当した実力派作家。デビュ…

小説を読むことは究極のライフハックである

小説家の保坂和志は、過酷な現代社会を個人が生きるために必要なことを訊かれて、「それはたとえばカフカを読むことだ」と述べている。ごく一般には、人生に役立つ知識やノウハウの意識的な蓄積こそ最も効率的な生存戦略だと信じられている。だがそれではダ…

絶望から出発せよ/和佐大輔『テトラポッドに札束を』

テトラポッドに札束を (単行本)作者: 和佐大輔出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2013/10/10メディア: 単行本この商品を含むブログを見る 12歳の時、海水浴中に海に飛び込みテトラポッドに激突、頚椎損傷。身体の胸から下が麻痺し車椅子生活に。17歳でネットビ…

女性作家のデビュー作二つ

松浦理英子の『葬儀の日』と山崎ナオコーラの『人のセックスを笑うな』を続けて読んだ。1978年、2004年と発表年に隔たりはあるが、作品の圧倒的存在感によって文芸シーンに新風を巻き起こした点で共通している。女性作家のこのような天才的なデビュー作には…

夢を追うことは合理的な生存戦略かもしれない

それでも、夢を追うしかない。/2016年の挨拶とブログ書籍化のお知らせ - デマこい!夢か安定か。そんな二者択一が個人の人生設計に大きく影響を及ぼす時代があった。現在でも、たて前としてその選択は残っていて、多くの人が昔と同じように考えより現実的な…

映画『ブラック・スワン』に見る面白い悲劇の作り方

ダーレン・アロノフスキー監督『ブラック・スワン』は、観る人によって評価が分かれるものの、ぼくは比類のない傑作だと思っています。 自分がこの作品の何に魅力を感じるのかというと、それは、力強いプロット、ラストの鮮烈なカタルシス、そして何よりも作…

短編小説『対岸の出来事』

「立ち上がって歩くこともできないらしい」飲み物のメニューに目を走らせながらNは言った。「試合中に小指の骨が折れても顔色一つ変えなかったあいつが、だ」ぼくは手を上げて、離れた場所にいる店員を呼んだ。彼女はレジの横に立って隈なく店内を見渡してい…

【まとめ】2015年に読んで面白った本10冊

タイトル通り。 まとめておきます。 フォックスファイア作者: ジョイス・キャロル・オーツ,Joyce Carol Oates,井伊順彦出版社/メーカー: DHC発売日: 2002/07メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (3件) を見る(その1)ジョイス・キャロル・オ…

世界に見出されることの危険性

何者かになるということは、独力でできることではなくて、自分という存在に意味を与えてくれる周囲の世界があって初めて実現する。 だから、もし何者かになりたいのであれば、周囲から興味をもたれる人間になることが必要だ。 ぼくは最近、そういうことは運…