そのイヤホンを外させたい

女性作家のデビュー作二つ

松浦理英子の『葬儀の日』と山崎ナオコーラの『人のセックスを笑うな』を続けて読んだ。



1978年、2004年と発表年に隔たりはあるが、作品の圧倒的存在感によって文芸シーンに新風を巻き起こした点で共通している。



女性作家のこのような天才的なデビュー作には、一体どんなものを食べて育ったらこんなひと味もふた味も違う小説が書けるのだろうか? といつも嫉妬させられる。特に、『人のセックスを笑うな』には作者の知識武装はほとんどなく、完全に世界と一対一で人間と風景を描いている。男性作家のものは、いかに良く書けていても決してお空の上ってわけではなさそうに感じるのだが。


どちらも、読み終わって「万歳!」と思わず叫びたくなるようなナイスな出来映えです。