そのイヤホンを外させたい

そのイヤホンを外させたい

ブログはタブラ・ラサ

匿名ブロガーの本懐

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まだ記事数も十分ではないが、ブログの運営方針について現在思っていることをここらで書き留めておきたい。


わたしはブロガーがブログそのものについて言及することに全く抵抗を感じないし、むしろ必要なことだと考えています。小説家や詩人が「小説とは何か?」、「詩とは何か?」という自問自答を繰り返しながら創作者としての階段を一段ずつ上っていくように、ブロガーも「ブログとは何か?」ひいては「文章とは何か?」「言葉とは何か?」という素朴な疑問に答える努力をすることで成長するのではないでしょうか。まぁ、スケールの違いは否めないし、そもそもブログを書くことに意味を見出そうとすること自体間違ったことなのかもしれないけれど。


先日、Twitterアルファブロガーが書いた記事がリツイートで回ってきた。記事の内容としては、「ブログ飯が盛り上がってるけどブログは儲からない。お前らいい加減目を覚ませ!」みたいな耳慣れたもので、流行をまぜっ返すような毒のある言い回しもあってか多くの人に読まれていた。内容に関してはおおむね異論はないのだけど、書き手のフラストレーションの蓄積が文章の節々から感じられ、正直読んでいて気分が悪かった。だから、この記事にもリンクは貼らない。癪だから。興味ある方はググればすぐ見つかると思うので読んでみて下さい。


後味は悪かったものの、上の記事を受けてブログというメディアの持つ価値についてあらためて考えさせられました。ブログで稼ぐことがこれほどまでに重要視され飽きもせずに繰り返し議論される理由は、お金が人類不変の関心事であるということが一つと、否定できない事実として、ブログがある程度の金額までなら努力次第で稼げてしまう、ということがあると思う。例えば、好んで詩を書いたり絵を描いたりしている人が自分はそれで食っていく、と宣言したとしてもほとんどの人は見向きもしないだろう。なぜなら、十中八九その夢が果たされないことを皆が知っているから。ところが、ブログに関しては現実にそれで生活費を稼ぎ出してしまう人間が少なからずいるものだから安定志向の人々の気持ちは掻き乱されることになる。そもそも他人事だから妬む方が悪いんですけどね。


いっそのこと、ブログから得られる収入なんて全部なしにしちゃえば、風通しが良くなっていいのではないか。いや、そもそも初期のブログってそういうものだったようです。今よりずっと牧歌的なものだったのにいつの間にかあり方が変わってしまった。だから、古参ブロガーと自称メディアクリエイター(新世代の若手ブロガー)の論争があれほどまでに白熱するわけで。


わたしはこのブログに、レビューを書いた本や映画のアフィリエイト広告を貼っているし、今後無理しない範囲でSEO対策も意識していこうかなと思ってる身なので、「フリーランスになってブログで稼ぐ!」のような風潮はむしろ歓迎です。でも、だからと言って、収益を生み出さない個人の日記ブログに存在価値はないかというと全然そんなことはないとも思っています。あぁ、どっちつかず。ブロガーのはしくれとしてもうちょっと尖った発言をしたいところですが、こういう白か黒かの二者択一って不毛ですよね。どちらもはっきりと選ばないまま個人のさじ加減でバランスを取った方が一番良い結果につながる気がする。小説で言えば、純文学とエンターテイメントの違いのようなもので、近年ではどちらも書ける越境的な作家さんもチラホラ出てきており線引きも曖昧になってきているので、ブログに関してもそこまで神経質になる必要はないような気がする。書く時の気分によって検索需要を意識するか否かを逐一判断すればそれでいいと思う。究極何書いたっていいんだからさ、ブログは。


しかしそうは言っても、わたしは自分の行為に何らかの意味を見出さないと落ち着かないめんどいタイプの人間なので、「なぜブログを書くのか?」という問いに対しては、ざっくりとした形でもいいのでひとまずの解答を持っておきたい。ではあらためて、「なぜわたしはブログを書くのか?」。金のため? 大いにあり得る。だが、それだけでは問いの半分も答えたことにならない。もしかしたら、自分は「ブログを書く」、または「文章を書く」ことによって生存競争とか社会的成功とは異なる地平での成長を望んでいるのかもしれません。カッコつけですが。


タレントのビートたけしの母親は早いうちから子供たちに熱心な教育を施したことで有名だ。だが、彼女の最大の功績は机上の学問を授けたことではなく、貧乏でも胸を張って生きていくことができるのだという事実を身をもって示したことでした。スーパーの値下げ商品のワゴンに殺到する人々を離れた場所から指差して彼女は幼いたけしに言った。「あのような人間になってはいけない」。わたしには彼女の人生哲学はあまりにストイックで弱冠息切れがしますが、それでもその潔い態度に憧れを抱きます。(ビートたけしの母親のエピソードは今手元に本がないため大体の記憶です)


生きる上で真に必要なのは、金でも名声でもなく美学、ロマンだ。なぜなら、金も名声も簡単に自分を裏切るから。自分を裏切らないのは自分でこしらえた信条だけである。ブログを書いていく中で、ずっと曖昧だった自分の人生に対する感覚が、わずかながらでも磨かれていく。そんな充実感を得ることができたら幸いです。


案の定抽象的な内容になってしまったけれど、ブログについて考えていることはひとまずこんなところです。また何か気づきがあったら付け足していこうと思う。