そのイヤホンを外させたい

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そのイヤホンを外させたい

文芸を糧に生きるアラサー男子のブログ。

既卒、未経験で出版社に入った僕の就職活動

先日、はてブに以下の記事が挙がっていた。



フリーター、第二新卒既卒の若者の就職斡旋を行っている会社の就職アドバイザーに既卒の就職活動についてインタビューしたものです。


僕自身既卒としての就職活動を経て会社に入った人間なので、新卒と比べてそれがいかに狭き門であるのかということはよく分かっているつもりです。上の記事にあるように指導をせざるを得ないアドバイザーの立場も理解できる。


しかし、それでもやっぱり上の記事にあるような「訳あって新卒では就職できなかったけれど今は過去のあやまちをしっかり反省してやる気に満ちています」という意思表示を履歴書や面接で若者に強要する世の中なんなの?って思いますね。学校卒業してから1、2年正社員として働かなかっただけでこれほどまでに隙のない言い訳を用意しなければならないのか。何だか息苦しい。


他人よりちょっと会社に入るのが遅れたくらいで仕事の選択の幅狭められるってなんだよ。既卒でもフリーターでも興味のある業種や職種にどんどんチャレンジできる社会になるべきです。


なんて社会に文句を言っても変わるまでに何年掛かるか知れません。現実レベルでは自分で抜け道を探して対処していきたいところです。


僕は24歳の時に既卒扱いで就職活動してずっと興味があった出版社に営業部員として潜り込みました。


出版社ってマスコミ業界で競争率も高いので新卒じゃないと入れないイメージ強いのですが、実際にはそうでもないのですよ。僕のようにフリーター、既卒でも本が好きで出版社で働きたいって方意外と多そうなのでちょっと当時のことを振り返ってみます。


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目次

ブランクを経ていざ就活スタート


しょっぱなからネガティヴで申し訳ないのですが、端的に申し上げて僕はメンタルがそれほど強くありません。大学4年の時に神経衰弱に陥り新卒での就活がほとんどできなかったクチです。かといって大学院に行くような金もなかったので卒業後仕方なく地元で楽なバイトしながら2年ほど燻っていたのでした。1年くらいで神経衰弱は良くなったのですが、特にやりたい仕事もなかったのと東日本大震災の混乱をいいことに惰性の日々を送っていたわけです。


しかし、ある日バイト先の休憩室で「サトウのご飯」を食いながら「バキ」を読んでいた先輩と日本の将来について語り合う貴重な機会を得ました。「総理大臣なんて俺がやったるよぉー」とウケ狙いの発言をしておそらくバチが当たった先輩はあやまって「サトウ」を床に落っことしました。先輩は床にぐちゃっと張りついた「サトウ」に対してマジギレしていましたが、僕含め周りの同僚の冷めた視線に気づいて急にしゅんとなっちゃいました。


その瞬間決断したんです。仕事見つけて東京行こうとね。脈絡一切なし。でもいいのです。この世は摩訶不思議アドベンチャーなのですから。


途中で挫けないために仲間をつくる

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遅ればせながら就活を始めるに当たって最初にしたのは仲間をつくることでした。


フリーター、既卒第二新卒の就活はえてして孤独がつきまといます。一人で転職サイトをチェックしたりハローワークに通ったりしても途中で心が挫けてしまって活動そのものをあきらめてしまう人が大半なのではないか。当時の僕はそう考え、自分と同じ境遇の人間が集まる場所に行ってそこをホームベースに就活を開始することにしたのです。


ネットで「既卒」「就活」「相談」などといったキーワードで検索すると、数は少ないものの上の記事の会社のような就職斡旋会社のHPがヒットしました。


どこの団体でもこれからあらためて就職活動を始める人向けのセミナーが月に何回か開催されていたので、まずは一通り参加してみることに。


正直、どこも似たような内容でしたね。代表もしくは社員が集まった就活生の前で既卒、フリーター、第二新卒の就職活動の心構えとノウハウを伝授するみたいな。


これはあくまでも個人の主観なので実際にはどうなのか知りませんが、自分たちで求人をいくつも持っているような100%民間の就職斡旋会社は、就活のノウハウを学ぶためのセミナーに参加するのはいいですが、実際に求人の紹介を受けるのは避けた方が賢明かもしれません。


なぜなら、当時の僕が見た限りでは、そのような会社の抱える求人って大体がお馴染みの企業であることが多かった印象があります。そのことが何を意味するかというと、同じ会社に何人も就活生を送り込むことによって実績を上げている可能性があるということです。入社さえ実現させてしまえば、その後定着率が悪くても会社としては問題ないからです。


中には、アドバイザーが全員女性でやたらなれなれしい態度でこちらの登録を促すような会社もありました。「入社してみて、もしつらいことがあったらその時は飲みに行こうよ~」なんていう甘言を駆使して自分に自信の持てない男性の就活生をまんまと釣っていました。釣られる方も自業自得ではありますが、それでも眺めてて不愉快だったのでここに記しておきます。



僕が最終的にたどり着いたのは、飯田橋にある東京しごとセンターです。


ここは東京都が運営している施設なのですが、中に34歳以下の人が利用できるU-35というハローワークもありますし、民間企業の協力による就職セミナーや個別カウンセリングなども充実しています。フリーター、既卒第二新卒の就活生にとっては最もバランスの良い活動拠点と言えるでしょう。


特にオススメしたいのが、「就コム!」というラノベみたいな名前の20代向け早期就職プログラムです。10名程度で週2回のペースで集まり1ヶ月半に渡って自己理解や面接の練習などをしていきます。もちろん担当アドバイザーのフォロー付きです。


僕もこれに参加したことで一緒に就活する仲間ができましたし、週2回顔を合わせて各人の活動状況を逐一報告、書類の作成や面接での受け答えの改善点を指摘し合うことで就職に対するモチベーションを高く維持することができました。


繰り返しますが、フリーター、既卒第二新卒の就職活動の天敵は孤独です。その予防のためにも「就コム!」のような期間の定められたプログラムに思い切って参加してみるのもいいんじゃないでしょうか?


なんだか、東京しごとセンターの回し者みたいですが、単純に僕自身参加してみて良かったなと思えたので恩返しのつもりでここに書いています。


仕事選びは遠慮しなくていい

いよいよ既卒の就職活動が本格的に始まります。


当初僕は就職できさえすれば業界なんて何でもいいやと思っていて、不動産とか観光業とか求人眺めてて何となく気になったものを書類応募の候補に挙げていました。


でも、僕が本や書店が好きだということを知った担当アドバイザーの女性が「出版社受けなよ。応募するのは自由なんだからさ」と気軽に勧めてくれたのを真に受けて、既卒のくせに出版社に狙いを絞るという暴挙に出ました。


もちろん、他の業界と比べて求人の数は非常に少ないです。そこで自分が好きな出版社に返信用封筒を付けて応募書類をいきなり送り付けるということをやりました。これも担当アドバイザーの指示です。今思えばだいぶロックな人でしたね。笑
その人は、丁度僕の就職が決まったのとタイミングを同じくして退職しちゃった。怖いけど良い人でした。


さて、結果はというと案の定全敗です。最初からそれほど期待していなかったのでがっかりはしませんでしたが。


ただ、7社ほど送った中で唯一あの本の雑誌社さんから丁寧な回答をいただきました。しかも便箋に長々と手書きで! 断りの文章とはいえ、それが当時の自分にとってどれほど励みになったか。どなたかは存じませんがその節はありがとうございました。みんな『本の雑誌』買おうぜ!

本の雑誌400号

本の雑誌400号


ハローワーク求人のメリット

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書類をいきなり送り付ける作戦は失敗に終わったものの、上のような温かい心づかいにも触れて一層やる気が出てきたのでした。


そして、ここにきて気づいたのですが、出版社の求人って大手の転職サイトにはあまり掲載されていないんですよね。


じゃあ探すとするならどこかというと、それはハローワークの求人情報です。零細~中小の出版社の欠員補充の求人が意外にも多く掲載されています。


これは僕自身が会社に入ってから実感したのですが、長年に渡る業績右肩下がりの影響で、大手以外の出版社って本当にお金がない。だから、欠員が出たからといって転職サイトに広告を出すようなお金の掛かることはせず、無料のハローワークに求人を出すことが多いのです。


実際、僕自身もそのようなハローワーク求人の一つで就職が決まりました。担当者との面接2回(うち1回は入社にあたっての説明)というスピード内定。新卒と違って、フリーター、既卒第二新卒の就職は決まる時はソッコーで決まるものです。


出版社で未経験の人材が重宝されることも


あともう1点出版社への就職について言えることがあるとすれば、未就業者や業界未経験だからこそ逆に人事から重宝される場合があるということ。


出版社の求人の大半は上にも書いたように大抵が欠員補充です。


ある程度予想はつくと思いますが、出版業界にはクセの強い人間が多いので何らかの理由によって会社側と揉めてその結果退職する人も多いわけです。


で、いざ欠員補充となった時に人事担当としては、

「また変な奴が入って社内をかき乱されたらどうしよう?」

と不安に思うのですね。


だから、言うことを素直に聴いてくれる未経験者の採用は出版社にとってもメリットがあるわけですよ。


不採用でもめげずに何社も受けてみましょう。


まとめ

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いかかでしたでしょうか。


僕自身、既卒として就職活動をしている時はネット上の見知らぬ誰かの体験談を読んで大いに勇気をもらったもの。この記事が誰かのお役に立てれば幸いです。より裁量権のある就職活動ができますように。


それじゃ。