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ブログはタブラ・ラサ

団鬼六『花と蛇 1 誘拐の巻』を読んだ感想

前から積ん読状態だった団鬼六花と蛇』をようやっと読みました。

花と蛇〈1〉誘拐の巻 (幻冬舎アウトロー文庫)

花と蛇〈1〉誘拐の巻 (幻冬舎アウトロー文庫)


日本官能小説の第一人者によるSM小説の金字塔的作品です。

「ズベ公」という言葉に戸惑う

ヒロインの遠山静子財閥夫人は、義理の娘である桂子と共に葉桜団というズベ公グループに誘拐され、地獄のような責め苦にあうわけなんだけど、自分は最初この「ズベ公」という不良少女を指す言葉に馴染めなくて肝心のプレイに気持ちがなかなか入っていけませんでした。

本作が書かれた当時は上流階級の婦人を心身ともに陵辱する存在としてズベ公を持ってくるのがリアリティーがあっただろうけれど、今の時代にはちょっとそぐわない設定かなと思いました。今風に作り変えるなら田舎のDQNとかになるのだろうか。

ポルノ小説にも関わらず漂う品の良さ

作者はあとがきで本作を「自慰用の珍文」と称している。

確かに本作のストーリーはあってないようなもので、全体の8割があの手この手を使っての調教で占められています。構成としては読者のヌキを目的とした後発のポルノ小説と何ら変わりません。

しかし、際限無く続く調教の中で次第に露わになる静子夫人の凄絶なまでの美しさには、同ジャンルの作品にない品格のようなものがあり、ある意味において理想の女性の描き方をしているなと読んでいて感じました。夫人が同じく捕まった女探偵京子とその妹を救うために小唄を唄うシーンなんかは目眩を覚えるような鮮烈な印象がある。

でも、あと9巻はこちらがもたない

ただ、『花と蛇』は完結までに文庫であと9巻もあるんですよね。

あと9巻分このテンションが持続するのかと思うと、読者であるこっちがもたなそうです。

次巻はインターバルを置いてからまた読んでみたいと思います。