そのイヤホンを外させたい

【書評】海原育人『ドラゴンキラーあります』

 

ドラゴンキラーあります (C・NOVELSファンタジア)

ドラゴンキラーあります (C・NOVELSファンタジア)

 

一昔前のラノベ。シリーズ全3巻完結。

1巻目の『ドラゴンキラーあります』はリアルタイムで読んで面白かった記憶があり、先日ブックオフで続編の『ドラゴンキラーいっぱいあります』、『ドラゴンキラー売ります』を見つけたので買って読み切った。

他レーベルの人気作に比べて当時それほど話題にならなかった本作だが、久しぶりに読んでみると古き良きラノベといった感じで普通に良作である。

竜の肉を食べて超人的な身体能力を獲得した人間=「ドラゴンキラー」とするシンプルな設定とハードボイルドな世界観の相性が良い。ニヒルな主人公と他登場人物の軽妙な掛け合いもグッド。あとがきを見るにかなりタイトな執筆スケジュールだったらしく、最後駆け足で終わってしまった感は否めないが、それはある程度仕方ないだろう。

本作を出したC★NOVElS大賞は正統なファンタジーとして緻密な世界観を持った作品を多く輩出しており、なかなか良い仕事してたよなと今更ながら思う。

アニメ化はしなかったけど忘れられつつある名作として、ここに軽くメモっておきたい。